それぞれ味わいが異なる!蕎麦における麺の種類とその特徴

それぞれ味わいが異なる!蕎麦における麺の種類とその特徴

蕎麦といえば、麺とつゆの組み合わせによって楽しめものとなっています。そういった蕎麦の麺に関して、いくつかの種類があることをご存知でしょうか。聞いたことはあっても詳しくはわからないという方も、意外と多いかもしれません。そこで今回は、蕎麦における麺の種類と、その特徴についてご紹介いたします。
 

更科蕎麦

更科蕎麦の最大の特徴は、その白さにあります。通常蕎麦といえば、グレーという印象が強いのではないでしょうか。更科蕎麦では、そばの実を挽いた際に最初に出てくる『一番粉』と呼ばれる粉で、製麺をしています。
 
一番粉はそばの実で胚乳の中心部分だけを使用しており、甘皮などの部分が排除されているため、きれいな白色となるわけです。そのため見た目だけでも他の麺とは大きく異なります。更科蕎麦であると、わかりやすいのではないでしょうか。
 
また見た目だけではなく更科蕎麦には、味に関係する部分においても特徴があります。それは『食感』と『味わい』です。食感というと噛んだときに感じるものではあります。しかし更科蕎麦の場合には、喉越しに際立つという特徴があります。蕎麦特有の香りは強くないものの、ほんのりとした甘みがほかにはない味わいとなるのです。
 
つゆとの組み合わせによっても、味わいは変化します。更科蕎麦の場合、濃いめのつゆと組み合わせることで、その味わいが際立ちます。もちろん人によって好みがあるため、さまざま試してみるのも良いかもしれません。
 
約200年前に誕生したとされており、蕎麦御三家のひとつでもあります。ブランドとして確立されている蕎麦の麺となるのです。
 

いなか蕎麦

そば粉を挽いた際に、挽いた工程によって一番粉や二番粉など別れていくことになります。いなかそばの場合には、一番粉以降の粉を使用して作られた蕎麦のことを指します。甘皮の入っていない一番粉とは違い、二番粉以降に関しては甘皮が含まれているのです。色としては黒みがかった、いわゆる一般的なイメージのそばの色になります。つまりほとんどの方がイメージする蕎麦は、いなか蕎麦のことをイメージしているといっても過言ではないでしょう。
 
いなかという名称になっているため、地方で作られている蕎麦のことだと思われる方も多いでしょう。しかし地域は限定していないことになります。いなか蕎麦の由来としては諸説あります。江戸を中心と考えて、それ以外の地域のことをいなかという括りにしたという説もあり、はっきりとはしていません。明確なこととしては、二番粉以降の粉を使用していることです。そこで区別すると良いでしょう。
 
また色はグレーがかった濃い色であることの他にも、味わいにも特徴があります。野趣あふれるそば本来の香りがあり、これは更科蕎麦には見られません。蕎麦の香りを好む方も多くいます。すすったときに香りを楽しみたいという方に、おすすめです。
 

二八・十割蕎麦

二八蕎麦と十割蕎麦に関しては、蕎麦が好きな方々の中で度々話題になる麺の種類です。
 
まず二八蕎麦ですが、そば粉とつなぎとなる小麦粉の割合がそのまま名称になっています。そば粉を八として、つなぎの小麦粉が二の割合で作られた麺であることを表しています。一方十割蕎麦というのは、その名のとおりそば粉が十割であることを、表しているというわけです。そば粉のみを使用していることによって、そばの実の風味などを存分に味わえるでしょう。
 
十割が一番だと主張される方がいたり、なにかと論争になっていたりすることがあります。しかしこれはあくまでも好みによる部分でしょう。どちらが良いも悪いもありません。蕎麦である以上つなぎは使わずにそば粉が十割であるべきに、思えてしまうかもしれません。つぶつぶとした表面とモチモチとした食感はとても魅力的です。しかし二八蕎麦にも、特徴があります。つなぎを入れていることによって、つるつるとした喉越しとなり、麺がしなやかです。重要なコシに関してもしっかりとあります。どちらが好みか次第で、それぞれの味わいを楽しむだけです。
 
また二八蕎麦や十割蕎麦ですが、打ち方によっても仕上がりには違いが生まれます。つゆとの組み合わせによる変化も、楽しめることでしょう。
 

変わり蕎麦

変わり蕎麦というのは、更科粉をベースにつなぎ以外の材料を練り込んだ麺のことを指します。なぜ更科粉をベースにしているのかというと、更科粉は白色です。材料の色がきれいに発色するからという点が、挙げられます。代表的な変わり蕎麦は、以下のとおりです。
 

茶そば

緑色をした蕎麦のことです。その名のとおり、抹茶を混ぜて緑色に発色させています。江戸時代の中期ごろに誕生したと言われており、艶やかなその見た目から愛されております。この茶そばを使った郷土料理として、山口県には瓦そばという郷土蕎麦が存在しているのです。
 

らん切り

名前だけだと切り方が独特な蕎麦なのかと、思ってしまうかもしれません。しかし卵を混ぜて作った蕎麦のことです。たまごの意味で『らん』というわけです。卵の黄身部分だけを練り込んでおり、当時卵が貴重だったことから贅沢な蕎麦として、認識されていました。黄身だけでなく、全卵を使用したものや白身だけ使用した蕎麦も存在しています。
 

ごま切り

ごまを混ぜ込んだ蕎麦のことです。真っ白な更科にごまの黒いつぶつぶが混ざっているという、特徴的な見た目をしています。蕎麦の香りとごまの香りを同時に楽しめるのが特徴です。つゆにもごまを入れると、より一層膨らんだ風味を味わえることでしょう。
 

まとめ

蕎麦の味わいは麺によってさまざまです。一度すべての種類を味わって、その違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。「助八」では蕎麦やうどんを、豊富なメニューでご用意しております。ご家族の方にも喜んでいただけることでしょう。鴨川や館山周辺にお越しの際は、ぜひともお気軽にご利用ください。