蕎麦で美味しいお酒をいただく!粋なスタイルを楽しもう!

蕎麦で美味しいお酒をいただく!粋なスタイルを楽しもう!
江戸時代後期から明治以降の江戸・東京では、蕎麦屋でお酒を楽しむことが粋であるとされていました。当時の流行りで蕎麦と楽しむお酒は、日本酒とされていましたが、お好きなものを飲むのが一番美味しいのではないでしょうか。
 
蕎麦とお酒の歴史や相性、粋な文化について調べてみると、もっと蕎麦やお酒を楽しむことができます。もちろん、うどんでも同じです。ぜひ最後まで読んで、美味しいお蕎麦とお酒の極上の時間を楽しんでみてください。
 

江戸時代の蕎麦とお酒

江戸時代の中期頃、江戸の町では蕎麦屋が流行りました。米や小麦が原因の江戸患いである脚気が流行ったときに、ビタミンB1が豊富な蕎麦を食べることで回復したのが一因といわれています。
 
蕎麦屋が増えるなかで、お酒を提供しはじめる店が出てきました。蕎麦屋が風味や香りにこだわる店であれば、茹でたり蒸しておいたりしたものを出すよりも、注文を受けてから蕎麦を切り、茹でて提供をします。
 
そもそも現在の技術とはちがい、保存方法が確立していませんでした。少し時間がかかっても注文を受けてから用意をするほうが、美味しい蕎麦を美味しく食べてもらえます。その、茹でているのを待っている間、お酒を飲ませるようになったそうです。
 
江戸時代の蕎麦屋では、1階ではファストフード店・立ち食いそばのように簡単に蕎麦やうどんを食べる場所、2階はゆっくり会合しながら食べる場所、というような店構えになっていたようです。ゆっくりと食べる客は、まず来店して蕎麦とお酒を注文します。注文をすると蕎麦を切って茹で始めるので、それまでのあいだにつまみを頼み、つまみとお酒を楽しんでいる間に蕎麦がでてきて、蕎麦湯で閉める、という流れが粋とされました。
 

蕎麦とつまみとお酒の関係

茹でたての蕎麦を食べるまでの時間を楽しむために、つまみとお酒を出すお店が増えました。では、蕎麦にあうお酒やつまみはどんなものがいいのでしょうか。
 

日本酒は蕎麦と合わせられてきた

江戸時代や明治初期の伝統的なものは、主に日本酒が提供されていました。江戸では、夕方早くに蕎麦屋にいき、つまみと蕎麦を肴に酒を飲むのが流行りでした。夏はキリリと冷えた辛口の冷酒を片手に、蕎麦屋でつまみと楽しんでいたようです。では、そのつまみはどんなものがあるのでしょうか。
 

実際にはどんなつまみがある?

伝統的なものは、かまぼこをスライスしたものを、ワサビや醤油と食べる板わさなど、あっさりと食べられるものでした。他には、そばつゆに欠かせない出汁をしっかりきかせた蕎麦屋のだし巻き卵なども人気でした。つまみが食べ終わる頃に、蕎麦がゆであがります。
 
このときですが、「ぬき」を頼むことが粋だったようです。「ぬき」とは、天ぷらそばや鴨南蛮そばの、そばを抜いて、汁と具材を食べる料理です。あつあつのつゆに天ぷらがのった「ぬき」を食べているうちに蕎麦ができあがります。その頃にはお酒も飲み終わり、蕎麦が茹で上がります。蕎麦の香りを味わえるシンプルなもり蕎麦を食べて、最後に蕎麦湯を飲んで閉める、といった流れだったようです。
 
これはもちろん、うどんでも同じように注文できたようです。西洋のコース料理のように食べることが、とても粋なこととされていました。
 

蕎麦にあうお酒の種類って?

伝統的には、蕎麦には日本酒を合わせていたようですが、現在は日本酒である必要はありません。ビールや焼酎など、好きなお酒を楽しんで合わせる楽しみ方もあります。ワインとのマリアージュを楽しむ方もいらっしゃるようです。
 
おつまみも、昔の蕎麦屋にあるものはシンプルでしたが、現在はいろいろな種類があります。助八のおつまみは、ビールに合うやきとりや枝豆、日本酒に合うもつ煮込みなどをご用意しています。蕎麦だから日本酒!とは限りません。
 
さらにいうなら、蕎麦ではなくても、うどんでもお酒を飲めます。蕎麦と同じように、つまみを食べながらお酒を楽しみ、最後のしめにうどんにすることも、もちろん「助八」ならばOKです。
 

蕎麦とお酒の楽しみ方

蕎麦とお酒の時代背景を知ると、蕎麦屋でお酒を楽しむ時間は、少し贅沢な気分になれます。江戸っ子たちの蕎麦に対するこだわりや、お酒との楽しみ方は、時代は違いますが、現代の私たちと変わらないのではないでしょうか。
 
美味しい蕎麦と、美味しいお酒。そしてそれにあうつまみ、また一緒に楽しむ人がいれば各段に極上の時間を味わうことができます。いつものように、とりあえずビール!でももちろん問題はありませんが、少し歴史や文化に思いをはせると、ビールの味が変わってくるような気がするでしょう。
 

まとめ

美味しいお蕎麦とお酒の関係について解説してきました。蕎麦を注文して待っている間につまみとお酒で楽しい時間を過ごすのは、なんとなく江戸っ子の合理的な性格がみえるようで面白いものです。
 
庶民の食生活であった蕎麦とお酒の関係を、粋なものとして少しランクアップさせて楽しんだ江戸っ子やハイカラな人たちの心意気を、ぜひ私たちも楽しみたいと思います。「助八」では、美味しいお蕎麦とお酒を楽しむ時間をお過ごしいただけます。鴨川や館山近辺にお立ち寄りの際は、ぜひ一度お越しくださいませ。