そばにめんつゆを使用するのは間違い?そばつゆとの違いとは

そばにめんつゆを使用するのは間違い?そばつゆとの違いとは

どこのスーパーでも手に入れられるめんつゆを使ってそばを食べている方は多いでしょう。そんな時、「何か足りないな」、「もう少し味に変化が欲しいな」と感じることはないでしょうか。それは、本来そばに使用されるそばつゆが、そばの独特な風味に合うよう濃い目に作られていることが原因と考えられます。

では、そばつゆとめんつゆには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。それらの違いについて詳しく解説します。

めんつゆとそばつゆの違い

まずはめんつゆとそばつゆ、それぞれの特徴を見ていきましょう。

めんつゆとは麺類全般に使えるつゆ

めんつゆは、そうめんやうどん、ひやむぎなどの麺類全般に使用できるように作られたつゆです。そのため、みりんや砂糖などの甘みとなる成分の含有量は少なく、その一方で、だしの量が多くなっています。

その味わいは、薄味で、甘さや塩辛さは控えめ、かつおだしの風味がよく効いています。これはそうめんやうどん、ひやむぎなどの風味の薄い麺類の食べ方の特徴として、麺をつゆにしっかりとつけて、つゆと絡ませて麺を食べることを想定しているからです。そのため、つゆが濃すぎることがないような適度な薄さで調整されています。

また、めんつゆには多くの原料が使用されているという特徴があります。塩分に関しては、そばつゆのなんと2倍近くも多く含まれているのです。

薄味でだしの風味が効いためんつゆは、親子丼や肉じゃがなどの和食を始め、パスタなどあらゆるジャンルの料理に使うことができます。つゆを少量しかつけないそばには、薄味のめんつゆでは物足りなさを感じるのは当然のことなのです。

そばつゆとはそば専用に作られた濃いめのつゆ

そばつゆは、そばに特化した専用のもので、風味も色味もすべて濃いめに作られています。

めんつゆに比べると、みりんや砂糖の量が多く、反対にだしの量は少なめになっています。その味わいは、やや甘辛く、濃い味付けになっているのが特徴です。これには3つの理由があります。
①そばには独特な風味があり、つゆの味がそれに負けないようにするため
②そばはうどんなどに比べるとつゆが絡みにくい麺であるため
③つゆにさっと通すだけのそばの食べ方を考慮するため

そばは独特な風味があり、そばつゆはその特徴に合わせた個性的なものとなっています。そのため料理の風味を邪魔してしまう可能性があるそばつゆは、そばのみに使用することをオススメします。

美味しいそばつゆを作るポイント

めんつゆはどこでも簡単に手に入れることができますが、そばつゆはそういうわけにはいきません。ご自宅でも美味しいそばが食べられるように、美味しいそばつゆの作り方を解説します。

かえしをつくる

まずは、本かえしを作りましょう。かえしとは、”煮かえし”の略で、そばつゆを作る際に使われる調味料です。 かえしをつくる材料は濃口醤油、砂糖、本みりんです。基本的なかえしを作る場合のそれらの配合比率は、濃口醤油:砂糖:本みりん=5:1:1です。

少し深めの鍋に濃口醤油を入れ、弱火から中火で温めます。この際、醤油が沸騰しないように、80℃程度で温めるようにします。80℃程度に醤油が温まったら、砂糖を加え、すべて溶けるまでゆっくりとかき混ぜます。完全に砂糖が溶けたら、本みりんを加えてゆっくりとかき混ぜましょう。全ての材料がよく混ざったら弱火で5分加熱し、完成です。

かえしは完成後すぐに料理に使用することができますが、完成後1~2週間寝かし、熟成させたものを使用することをおすすめします。熟成させることで、完成直後よりも醤油の角が取れたまろやかなかえしになるのです。熟成中は、かえしを冷蔵庫で1~2週間保管します。

混合削り節のだしをとる

そばつゆに最もオススメの混合削り節のだしは、カツオ×宗田鰹×サバの混合削り節のだしです。カツオ×宗田鰹×サバで作る混合削り節のだしは、言うまでもなく、カツオの風味が強いだしの味になります。さらに血合いが多い宗田鰹を使用することで、あと味がしっかり残ります。そして、極めつけに鯖の独特の甘さとコクを味わうことが可能です。作り方は削ったものを湯に入れて加熱するだけの単純な作業ですが、いくつかポイントがあるので紹介します。

ポイント①だしをとる際、混合削り節を混ぜたり、しぼったりしないようにしましょう。しぼるなどの手を加えると、苦みや生臭さの原因になります。触らずに、そのまま置いておくことが大切です。

ポイント②鍋の蓋は開けておきましょう。蓋をすると魚の生臭さを閉じ込めてしまい、これも生臭さの原因になります。

ポイント③だしがとれたら濾しますが、その際も混合削り節はしぼらないでください。時間がかかりますが、ゆっくり濾すことが重要です。

かえしとだしを合わせる

最後にかえしと混合削り節のだしを合わせます。
温かいそばつゆの場合には、かえし:だし=1:8
冷たいそばつゆの場合には、かえし:だし=1:3
上記の割合で合わせれば、おいしいそばつゆの完成です。

まとめ

どこでも簡単に手に入るめんつゆでそばを食べる方は多いでしょう。しかし、どこか味に物足りなさを感じるという方は多いものです。実は、めんつゆとそば専用に作られたそばつゆでは、材料の割合が全く正反対のものとなっていたのです。

そばを美味しく食べるためには、そばつゆが適切です。しかし、ご自宅で作るにはやや手間がかかるかもしれません。美味しいそばつゆでそばを手軽に食べられる「助八」では、お手頃な価格で本格的なそばをご提供しております。ぜひ一度、お気軽にお越しくださいませ。